C-リングを外し、12時の位置で引っ張れば亀が抜ける。小生のBB号は初期型の様で、ワイパも初期型の様だ。後期型は亀の甲がプラスチックで簡単に外れ、此処まで分解せずとも内部機構にアプローチ出来る。整備性も良いし、質量が減り、慣性が減少して内部機構への攻撃性も若干は減少しているのだろう。 左図の丸で示したネジ3本を抜けば、亀の甲が分離出来る。間にゴムパッキンが有り、大抵は固着しているので、プラスチックハンマー等で衝撃を与えつつ分離する。 上述の通り数種タイプが存在するようなので、分解前に良く観察し、考察する事が肝要であろう。
リンク部と同様にシムが有るので枚数と順番に留意する事。前述のO-リングがこちらに張り付いている事も有る。
甲羅をはずした所。スライドレール固定ネジ4本を抜去する。 再組み立て時、小生はスライドレールを左右入れ替え、上下逆に組み立てた。原型通り組んだのだが、レールが摩耗しており、件の「ドアストライカー左右入れ替え」と同様に作業したと云う訳。
レールを外すと、内部リンクが外れる。黒いブッシュはプラスチック製のボールジョイントブッシュで、リンク部は引けば分離出来る。
ローラー軸はベアリングで支持されている。シールタイプだが、ピックアップで外し、グリースを充填しておく事。 各リンク部、ジョイント部も洗浄後十分グリスアップしておく事。
スナップリングを外して内部シール類を洗浄し、グリスアップする。
ロッドシールは NOK FU2464S0 (φd12 D20 h5)が流用出来る・・と、思われる。
因みに軸径はワイパ、モーター側共にφ12である。
甲羅を合わせる前に リンクを再組みし、ワイパシャフトが最も短くなる位置でギアとポストに合マークを付ける。甲羅を組んだ後だと、リンクの位置が確認出来ないので、組む前にマークする事。リングギアと組む時はこの位置で合体させる。
以上でパノラマワイパーの修理は完了。再組み立ては分解の逆順で行う。
留意点を述べておく。
1:ワイパ停止状態を原点とし、各リンク部に合いマークを付ける事。単に給脂のみ行うなら、フロントガラスにワイパブレード位置を油性ペン等でマークしておく事も有効だろう。
2:使用箇所に応じたグリースを用いる事。小生は金属部にはFUCHS社Sikolene Pro RG2を。プラスチックギア部にはWAKOS SUPER SILICONE GREASEを。モータースライド接点にはサンハヤト社 コンタクトグリースを。モーター部ウォームギア部にはタミヤ社 セラミックグリースを用いた(これは一寸粘度が低い様に思われる)。プラスチック部品に付着する恐れの有る金属部にはシリコーングリースを用いたが、フッ素グリースの方が良いと思われる・・大変高価なのが難点。
3:ネジロック剤が使われていた部分は、再組み立て時にもネジロック剤を用いる事(甲羅固定部とリングギア固定部)。
4:リンク組み立てのコツ・・先ずモーター部のリンク角度・合いマークを「厳密に」合わせ、ナットを「完全に」締め込んでしまう(小生の様に分解前に写真に撮っておき、原寸大にプリントアウトして合わせると、とても楽で完璧)。締め込む時に軸を回してしまわない様に注意。
対して、亀軸側は①「セレーションを合わせず」抜け落ちない程度にナットを掛けておく。②車両に仮付けする。リンクを動かさない様に注意する事。③ワイパアームを取付け、フロントガラスマーキング位置にワイパを合わせた上でセレーションを合わせ、ナットを締め込む。一寸でもセレーションに掛かればずれる事は無いので、工具を使う必要は無い。④アッシーを取り外し、本格的にナットを締め上げる。
どんなに注意してマーキングしても、多少は位置がズレる様だ。いろいろ試行したが、この方法が一番簡単。他に良い方法が有るなら、教えて下さい。
5:最後の難関・・リングギアの入手方法・・すまぬ、ネットサーフィンで探して下さい。ヒントはW124 WIPER RING GEAR 。楽天市場にはこの方法で入手したと思われるリングギアを用い、リビルトしたと思われるワイパアッシーを販売している会社が出品している。申し訳ないが直接のアドレス紹介は、ナニカに差し障りそうなので公開しないです。がんばってサーフィンしてねっ!!
各部グリスアップして、最高に調子イイです。ただ、どうにも小生はキライだったのですが(低速時の小糠雨や霧の時は却って見づらいので)、パノラマワイパー装着車種にはガラスコーティング剤が必要なのかもしれないです。Hiスピードはギアに悪いし、結局見通しも悪いままなので。
追記:リングギアー入手先について
米国 ebayで販売している会社が有ります。また、ショップマスターから「BOSCHパーツリストに「載っていれば」パーツが出る」との情報も頂きました。皆さんからの情報もお待ちしています。
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